知的財産・商標の基礎知識
起業時に知っておきたい知的財産権の基本と、ブランドを守るための商標登録について解説します。
知的財産権とは
主な知的財産権の種類
特許権
新しい発明を保護する権利。技術的アイデアやノウハウが対象。
商標権
商品やサービスの名前、ロゴマークを保護する権利。
著作権
文章、音楽、プログラムなどの創作物を保護する権利。
意匠権
製品のデザインや形状を保護する権利。
商標登録の重要性
なぜ商標登録が必要?
- ブランド名・ロゴの独占使用権を得られる
- 他社による模倣や類似商標の使用を防げる
- 顧客の信頼とブランド価値を守れる
- 将来的な事業拡大に備えられる
商標登録しないリスク
- 他社に同じ商標を先に登録される可能性
- 商標権侵害で使用停止を求められるリスク
- せっかく育てたブランドを失う可能性
商標登録の手続き
1
商標調査
特許庁のデータベースで同一・類似商標の有無を確認
2
商標区分の確定
商品・サービスの区分(全45類)を選択
3
出願書類作成
商標登録願を作成し必要書類を準備
4
特許庁への出願
オンライン出願または書面で提出(手数料支払い)
5
審査・登録
約6-12ヶ月の審査後、登録料納付で権利成立
商標登録の費用と期間
項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|
出願手数料 | 1区分 12,000円 | 区分数により変動 |
登録料(10年) | 1区分 32,900円 | 5年分割納付も可能 |
弁理士費用 | 10-30万円程度 | 依頼する場合 |
審査期間 | 6-12ヶ月 | ファストトラック審査あり |
他社の知的財産権を侵害しないために
侵害回避のポイント
事前調査の実施
- 商標データベースでの検索
- 類似商品・サービスの調査
- ドメイン名の重複確認
専門家への相談
- 弁理士による事前調査
- 商標権侵害リスクの評価
- 代替案の検討・提案
著作権の基礎知識
起業時の著作権注意点
Webサイト制作時
画像・音楽・文章の著作権確認。フリー素材やライセンス購入を活用。
従業員の創作物
就業規則で職務著作の扱いを明確化。契約書での権利帰属の明記。
外注先の成果物
委託契約で著作権の譲渡または利用許諾を明記。
ソフトウェア利用
オープンソースソフトウェアのライセンス条項の確認。
知的財産権管理のコツ
実践的な管理方法
権利の取得・維持
- 重要な商標は早期に出願
- 更新期限の管理システム構築
- 海外展開時の各国出願検討
- 防御商標の検討
侵害への対策
- 定期的な権利監視
- 侵害発見時の迅速な対応
- 専門家との連携体制構築
- 証拠保全の準備